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上棟式をやらなくなったのは
いつごろからでしょう

飲酒運転の厳罰化や
施主の家づくりへのかかわり方の変化など
理由はいくつかありますが
やはり
プレカットの普及は大きな理由だと思います

上棟は
大工にとって大きなイベントです
一か月ほどかけて
材料と向きあいながら
墨付けをして刻む(加工する)
上棟日には手伝いの職人も大勢いるので
もし間違いがあれば
そこで作業が中断してしまいます
当日、棟が上がらなければ
上棟になりません

上棟前は眠れない夜が続く・・・
多くの大工はそう言います

無事上棟したときの
喜びと安堵感は
相当なものでしょう

プレカットはそれらの作業を
延べ2~3日で済ませてしまいます
加工だけなら一日もかかりません
当然、自分で加工した場合とは
事の重さが違います
刻みの経験が無い大工も増えてゆくでしょう

上棟式が無くなるということは
現場で酒宴ができなくなるだけではなく
文化や大工技術の継承と言う点で
大きな問題ではないでしょうか

堅いハナシはそれぐらいにして・・・

久しぶりに上棟式がありました
建主さんの仕事の都合で
昼食という時間帯でしたが
沢山のお料理とお酒を用意してくださいました

その際に用意していただいたのが
これ

「獺祭」(だっさい)というお酒

あまり詳しくないのですが
山口県のお酒で
最近すごく人気があり
入手するのが困難なほどだそうです

磨き三割九分と書いてあるように
精米歩合39%
二割三分という商品もあるそうです

こりゃ美味しい!!

昼なので・・・
戻って仕事しますので・・・
などと断りながら
手が出てしまう意思の弱さ(笑)

さてさて
かなり酔ってしまったので
仕事ができる状態に戻るには時間がかかりそう

酔いざましに歩いて帰るか・・・

普段なら絶対考えないのに
そこが日本酒の恐ろしさ!

甲州街道から明治通りをテクテク
いや~
結構ありました9㎞弱

近年、通過するだけのことが多い京都だが
今回、詩仙堂と曼殊院に行く機会がありました

詩仙堂は庭の美しさで有名ですが

建物もとても素晴らしい

徳川家の家臣であった石山丈山が
隠居のために作った山荘らしいのだが
そのような性格上
格式ばっておらず
融通無碍、遊び心に溢れている

私の好きな聴秋閣とも
可愛らしいプロポーションや
魅力ある空間は
どことなく似ている

ちょこんと乗っている
二階は四帖のみ
嘯月楼というらしいから
ここから月を見たのかな

一緒に行った泉とも話しをしたのだが
建物の内外をつなぐ
中間領域の作り方が良い・・・

ちなみ「中間領域」は大学で授業のテーマに
しているらしい

日本の建築はもともと中間領域だらけ
屋内なのか屋外なのか区別がつきにくいぐらい

しかし
現代よりも技術や材料の制約が
大きかったはずなのに
何故こんなに美しい建物が
造れたのだろう

先人の知恵は引き継がれていると
言えるのだろうか・・・

ウッドデッキは
室内と外部をつなぐ
中間領域としてとても重要な部分

呼び名は違えど
濡れ縁や縁も同じもの
はるか昔から日本人には
馴染み深いもの

ただ
木材だけに痛むのが悩みどころ

できるだけ耐久性のある
桧やひば、栗などを使っても
やはり腐ってしまう

ちょっと高価ではあるが
ジャラとかイペといった外材は
公共建築でもよく使用され
腐らないように思われているが

腐りにくいのであって
腐らないわけではない

つい最近も
(旧)住宅公団から木製の橋を譲り受けた
行政庁が
25年持つと聞いていたのに
10年で腐った・・・
とクレームをつけて
問題になっていた
材料はアフリカの
ボンゴシという木材だそう

やはり
交換することを前提に作る
こまめにメンテナンスをする
これが基本です

だからといって

樹脂というのも
何だかなぁ・・・

写真は新宿駅に隣接する
高島屋や東急ハンズが入っている
商業施設だが
18年ほど経っている

完成当時は
木製のデッキが目新しく
とてもよかったのだが
残念なことに
痛んだところは建材に変わってしまった

そのうち全て変わってしまうのでしょう

一番期待しているのが
木材を熱処理して細胞構造を変えて
腐朽しにくくする技術

薬品等を使わないのが
いいところ
さらに材を選ばないので
国産の杉が使える

これもちょっと高価なのだが
17年ほど前から時々使っているが
(コストが許す時)
確かに腐らない

熱処理する段階で
材が軽くなり
狂いにくくなるので
使った大工さんも
悪くないと言っている


新潟で木造住宅を造っているのだから
林業のことも多少知らなくては、と
4、5年前から定期購読をしています

内容はさておき
いつも感心するのが
郵送されてくる封筒

写真ではわかりにくいと思いますが
要は裏返して
再利用しているということ

なんか懐かしいですよね・・・

手間かかるんですよね・・・

そういえば昔祖母が
新聞の折り込み広告を使って
袋にしたり
メモにしたりしていたような
気がします

今は多くの人が
コピー用紙を裏紙で再利用しています

ローラーが汚れたり痛んだりするので
コピー機やプリンターのためには
使わないほうが良いらしいのですが・・・

PCでペーパーレスに
などと聞きますが
パソコンを使うようになってから
逆に紙の使用量は圧倒的に増えました

画面で見ていても気がつかないのに
プリントアウトすると
一目で間違っている箇所に気付くのです

気付いた瞬間
自分自身に腹が立ちます

デジタル世代じゃないからかな?
と思うのですが
どうも皆同じことを感じているようです

そんな訳で裏紙ばかり増えてしまいます

ある超有名な設計事務所では
真偽のほどは定かではありませんが
紙や筆記用具は全て所員持ちだそうです

無駄使いが減りそう・・・

でも、良く考えれば
大工も左官屋も
道具は自分でそろえますよね

金額的には比べ物になりませんが・・・

事務所と池袋の間にある
雑司が谷霊園は
池袋という猥雑な
繁華街に隣接していることが
信じられないほど
閑静で緑多い
貴重な場所です

夏目漱石や小泉八雲
泉鏡花や竹久夢二
のお墓があることでも
知られています

池袋の雑踏に疲れると
歩いて帰る際に
霊園の中を通り抜けたりします

不謹慎と言われるかもしれませんが
昔、泉と花見をしたこともあります

霊園の周囲には
お寺や神社が多いのも
良い環境に
一役買っているようです

霊園の近くの
大谷石の土留めに
面白いものがあります

大谷石は
御存じのとおり
風化して崩れたり
するのですが

その窪みに
高さ2~3センチの
お地蔵さんがいます

それも一つや二つではなく
窪みという窪みに・・・・

良く見ると
手作りのようです
形はさまざまですが
指先で「ぎゅっ」と
つまんだだけのような胴体に
丸めた頭が乗っています

風雨にさらされて
苔むした大谷石と
一体化したようなものもあります

誰が何のために作ったのか
わかりませんが
かなり昔からあります

こういうセンス
いいですよねぇ

近代化の流れの中で
切り捨てられてしまったものをと
思わぬ場所で出会ったよう・・・

急ぎ足を止めて
思わず見入ってしまいます