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室内建具の仕上材としては、大きく分けて板か紙に分けられます(ベニヤや樹脂系のものは除いて)
板は時間が経てば経つほど味が出てくるのですが、当初は色味があまりなく、かと言って着色するのもちょっと作為的で、できれば自然に濃い色になって行ってほしいな、と・・・
紙を貼る建具と言うと襖や障子ですが、一般の方はあまり関心が無いかもしれません
襖というと白地に松の絵がどーんと描いてあるものや、中央に帯状に紺や茶色の紙が貼ってあるものをイメージしがちです
鳥の子紙という上質で強い紙は、時間が経ってこげ茶に焼けた板や土壁と組み合わせると、とても合うのですが、白く明るい現代の住宅の中では、やはり存在感があまりありません
ちなみに鳥の子紙というのは、もともとは鳥の卵の殻の色に近いことから、そう呼ばれたようです
左官の白い壁に合わせたい時には、もう少し個性的な色が欲しく、風合いや丈夫さは手漉きに勝るものはないでしょう
ただ、手漉きの紙はその製作方法から2尺×3尺程度の大きさのものがほとんどです
建具の大きさでは1枚で貼れないから使えない・・・
継ぎ接ぎは美しくないというのが、物を作る際の常識になっていたのは良く理解できます
ところが、紙の継ぎ接ぎは1枚よりも美しいじゃありませんか
紙の「耳」と呼ばれる自然な端部、1枚の中にある色むらや濃淡、原料の繊維が残って見えるテクスチュア
左官の壁ともよくマッチしますが、それ自体の美しさに思わず見とれてしまうほどです
障子の紙も、破れにくいからといって、パルプに樹脂の入ったものをよく見かけます
理由はわかりますし、丈夫なのはよいかもしれませんが、風合いが・・・
大抵の障子紙は漂泊したり蛍光剤が入っていて白すぎるのです
また原料がパルプのものは均質すぎて、光を透したときに味わいがありません
漂泊していない自然な白で、楮などの繊維を感じるような紙を貼ると、同じ障子でも全く雰囲気が変わるのがよくわかります
また、小さいものやアクセントになる障子にはチリと言って原料の皮や繊維の大きいものを漉き込んだ紙を使ったりもします
それはとっても美しい紙で、僕は使うあてもないのに大量に買い込んであります(苦労して気に入ったものを見つけても、何年か経つと廃番になったり、作っている方が辞めたり亡くなってしまうことが多いのです。時流に沿っていないもの、売れないものの中に好みのものがあるのが原因だと思いますが・・・)
そのうち無くなってしまうような気がして心配なのです
そんな訳で、建て主さんの障子の紙にとプレゼントさせていただいています
破れたらどうするかって?