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お酒の話じゃありません(笑)
杉の床板の話です

今でこそ良く使われますが
合板のフローリング全盛のころ
無垢のフローリングといえば
ナラや桧が一般的でした

杉なんて柔らかくて
床板には向かない(商品として)と

20年ほど前
秋田の山奥の製材所の方に
勧められて初めて使いました

無垢のフローリングといえば
巾は10センチ程度で
厚みは1.5センチ程度が普通ですが
その杉の床板は
巾が22センチ
厚みが2.4センチもあり
張ったときの迫力といったら
圧巻でした

ご存じのとおり
傷がつきやすいのが難ですが
桧や松だってそれほど堅くはありません

それよりも
裸足で生活したり
時には床に座ったり
寝っ転がったりする
日本人の生活スタイルには
温かみがあって
柔らかで
さらっとした肌触りの
杉の感触はぴったりだと思うのです

心配なのは
20年30年と時を経たときに
どのようになっているのか・・・

建物が完成した際に
手入れの方法を聞かれ
「えー、時々自然系のワックスを・・・」
程度の事しか答えられないのは
経年変化の状態を
完全に把握していないから
先日17年ほど前に竣工した建物に
お邪魔する機会がありました

夏目の部分(白い部分)がすり減って
冬目の部分(赤黒い木目)が浮き上がり
浮づくりのようになっています

良い感じです

アップで見ると

完成から数年後に
お訪ねすると
ほとんどの方が
「いや~全く手入れしていなくて・・・」と
照れくさそうにおっしゃいます

完成時にメモを執りながら
熱心に質問されていた方でも
ほぼメンテナンスフリーです(笑)

写真のお宅も同じ使用状況ですが
それでいいじゃありませんか
工芸品じゃないんだから

部分写真だけをアップで見ると
ちょっと汚く見えるかもしれませんが
全体を見ると
全然印象は違います

当然他の部分も古くなっている訳ですから
当然ですね

何よりも
合板では絶対に味わえない
時の重みというか厚みというか・・・
思わず手で表面を撫ぜました

人間もかくありたいものですね