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年が明けてから、あっという間に半ば過ぎとなってしまいました。今年もよろしくお願い致します。

今年私が楽しみにしていることの一つに、伊勢神宮の「式年遷宮」があります。伊勢神宮は1300年にわたり、20年ごとに社殿を造り替える式年遷宮が続けられていますが、今年がまさに62回目のその年になります。

去年訪れた際、内宮で、新御敷地に新しい御正宮が建ちはじめているのが見れました。残念ながら白い布で覆われていて中の様子はわかりません・・・

造り替えの準備期間はかなりせわしなく、平成17年から進められてきました。20年で造り替えというと早いようにも感じますが、実はよく考えられた年月のようです。初めの遷宮で下働きだった大工さんが、次の遷宮で棟梁となり、更に次には指導役となる・・・こうして技術が代々受け継がれていくわけです。また、造り替えられた後、旧殿で使われていた材料は、鳥居、柱だけでなくしめ縄など全てが、ほかの神社で使われるなど何らかの形で再利用されているそうです。

去年は、この式年遷宮に使われる柱などのヒノキが育つ山「神宮美林」へ行く機会も頂きました。その山は岐阜県中津川市の加子母村という村にあります。人口3200人、飛騨牛3000頭が暮らす、94%が山林の村で、神宮美林はその中にあります。現在は許可なく山へ入ることは出来ませんが、特別な許可をもらっての入山となりました。

手前の山は植林でつくられた100年生の人工林。ほぼ針葉樹の山です。中央奥のもくもくした山が、これから目指す神宮美林です!!

神宮美林は400年生の天然林で、自然のサイクルで密度管理がされているため、人の手による間伐は行われません。樹齢も樹種も様々なので、遠くから見るともくもくして見えるわけですが、絶妙な自然の条件が重なったことで間伐をせずに自然の力で生きられる山となりました。人工林と違い自然環境の様々な条件があることで成長に時間がかかるため、目が詰まった丈夫なヒノキに成長するそうです。

神宮美林へ一歩足を踏み入れると・・・神秘的です!!

こちらが、今回の式年遷宮で内宮に使われる御神木として、7年前に伐り出されたヒノキの切り株です!!新社殿を造るにあたり様々な儀式や決まり事があるのですが、柱の伐り方も決まっています。チェーンソーなどは使いません。途中で割れてしまわないように、三ツ尾伐り(みつおぎり)という手法で、三人で三方から手斧で伐ります。切り株に残る3つのツノがその証です。

この山以外にもいくつかの山から伐り出されるそうですが、年々材料の確保が困難になっている現実もあるそうです。神秘的で美しく、中には1000年ヒノキも生きているこの山を見ると、式年遷宮のために伐り出すことについて色々考えさせられますが、そのような思いもめぐらせながら新社殿の完成を待ちたいと思います。