先日、みなとぴあにある旧新潟税関庁舎の塔屋の限定公開があるということで、その近くにある旧小澤家住宅も含めて「川湊にいがた」の歴史に触れて来ました。
港の記憶を辿る~旧新潟税関庁舎、塔屋からの眺め
普段は立ち入ることのできない旧新潟税関庁舎の塔屋が見学できるという貴重な体験をしてきました。ベンガラ色の屋根と鎧戸、中央のアーチ、ナマコ壁が特徴的なこの擬洋風建築は、最古の税関庁舎として国の重要文化財に指定されています。
実は初めて内部に入ったのですが、急な階段を上りきった塔屋からの眺めは格別でした。ボランティアガイドさんの解説で、かつて川幅が1キロもあったという信濃川の雄大さや、湊町新潟の賑わいに思いを馳せ、歴史の重みを感じるひとときでした。
町屋に息づく商家の暮らし~旧小澤家住宅探訪
旧税関庁舎から歩いて旧小澤家住宅へ。こちらは回米問屋だった旧家で、広大な敷地に主屋や蔵など7棟が残る見事な店舗兼住宅です。明治期の大火後に再建された、旧新潟町域に現存する町屋では最古の建物の一つとのこと。黒塀と見越しの松に迎えられ、長い通り土間を歩くと、当時の商いの活気が伝わってきます。
奥座敷から眺める庭園は、サツキやフジが彩りを添え、松島を模したという松の配置が秀逸。庭の鶴の置物が子どもたちの遊びのためだったとか。
建物内の座敷などは貸室もしているそうで、歴史ある空間で何かできたら楽しんだろうなと思いました。川湊新潟の歴史と文化を肌で感じる、実り多い一日となりました。