施工事例

建築地である新潟市西区坂井砂山は、文字通り「新潟砂丘」の頂部に位置する丘陵地であり、眼下には越後平野を望むことができる。
南側と東側に道路のある角地で、採光・眺望・通風にはかなり有利な条件であったが、敷地には2ｍ以上の高低差があり、駐車計画や土留めといった設計的にも技術的にも難しい設計条件をいかに整理し、クリアしていくかが重要な課題となった。
敷地の高低差が2ｍ以上あるため、駐車場をＲＣ造とし、ＲＣ造の地下車庫＋木造２階建ての混構造の住まいである。
中庭を囲むようにリビングやダイニングなどの共有スペースと、親世帯の居室をゾーニングし、プライバシーに配慮しつつ共有部分を介してゆるやかなつながりのある設計を目指した。
南面に設けた土庇の縁側空間は、夏場の日射を遮り、室内外をつなぐ中間領域とすることで、豊かな内部空間になった。

家族の交流の場となる1階LDKはできるだけ広く設け、ご夫妻やご両親の共通の趣味である植物を土間に飾り、なるべく段差を小さくし庭へとつながる工夫を施した。２階の子世帯は、在宅ワークのための書斎や、冬でも１階から上ってくる暖気で洗濯物を乾かせるよう床をスノコにしたランドリールームがある。庭や緑を中心に暮らしが広がり、毎日が楽しく、豊かになるような住まいを目指した。