こんにちは。アーキテクトの福本です。
今回は、自宅計画の中で「間取りの作り方」と「外観デザインの考え方」について書いてみようと思います。
住宅の間取りや外観を考える方法は本当にさまざまです。正解はひとつではなく、設計者によっても考え方は異なります。その中で私は今回、「構造的な合理性」や「基本に忠実であること」を大切にしながら計画を進めました。

田の字プランをベースに考える
今回の計画では、比較的早い段階で「田の字プラン」をベースにしようと考えました。
田の字プランとは、日本の伝統的な間取りの考え方のひとつです。柱や梁が、漢字の「田」の字のように整理されて配置される構成で、無理のない構造計画がしやすい特徴があります。
また、廊下を最小限に抑えながら部屋同士がつながるため、空間を効率よく使うことができます。構造的な合理性だけでなく、どこか落ち着いた美しさが生まれる点も魅力のひとつだと思っています。

水平ラインを意識した外観デザイン
敷地は南側に長く広がる形状だったため、建物もその特徴を活かしながら計画しました。
外観で意識したのは「水平ライン」です。
軒の高さをそろえながら横方向へすっと伸ばすことで、建物全体が軽やかに見えるように考えました。また、屋根形状もできるだけシンプルにまとめることで、落ち着いた佇まいを目指しています。
さらに2階の窓も高さを統一し、横方向に連続するように配置しました。窓のラインをそろえることで、建物全体のまとまりが生まれ、水平性がより強調されます。

シンプルな形だからこその性能
シンプルな屋根形状には、見た目以外のメリットもあります。
まず、断熱・気密施工が行いやすくなります。形が複雑になるほど施工の難易度は上がりますが、シンプルな形状であれば確実な施工につながりやすくなります。
また、屋根は建物を雨から守る最も重要な部分のひとつです。形状が単純になることで雨仕舞いも整理しやすくなり、雨漏りのリスク低減にもつながります。
住宅はデザインだけでなく、長く安心して暮らせることも大切です。そうした意味でも、シンプルな形には大きな価値があると考えています。
敷地の個性を活かす
もちろん、建物だけでなく敷地の特徴も大切な設計要素です。
今回の計画では、周辺環境や視線の抜け方などを丁寧に読み取りながら、自然と窓や庭へ視線が誘導されるような仕掛けを取り入れています。
ただ、この部分については近隣環境との関係もあり、ブログで詳しくご説明するのは難しいところがあります。
そのため、ぜひ見学会などで実際に現地をご体感いただければと思います。図面や写真だけでは伝わらない空間の広がりや視線の抜け方を感じていただけるはずです。
【写真③:庭や窓からの景色】※後ほどアップいたします。
間取りの作り方や外観デザインの考え方は本当にさまざまです。今回私は、敷地の条件や構造的な合理性を大切にしながら、できるだけ素直で無理のない建物を目指しました。
派手さはないかもしれませんが、長く見ても飽きのこない「シンプルな造形美」を目指した住まいになったと思います。
次回へ続く。