こんちには、アーキテクトの福本です。番外編6回目はお庭について書きたいと思います。

家とお庭は、切っても切れない関係にあります。私自身、住まいは建物だけで完結するものではないと思っていたので、お庭にもできるだけ予算を残したいと考えていました。
建物の中だけをどれだけ良くしても、もったいない。庭があってそれぞれが引き立ちます。
また、近年は省エネルギー化の流れが強まり、夏は暑く冬は雪の多い新潟でも、高性能住宅が当たり前になってきました。しかし、その中でもお庭が果たす役割はとても大きいと感じています。

例えば日射を遮ることを考えたとき、建物だけで何とかしようとしても限界があります。どれだけ高性能な住宅で設備を充実させても、樹木がつくる木陰が遮ってくれる太陽の熱には大きな効果があります。これは冷房負荷の軽減にもつながります。
反対に、敷地の周囲をコンクリートで覆ってしまうと、昼間に蓄えた熱が夜になって放出されます。そう考えると、お庭と省エネ性能もまた切っても切れない関係にあるのだと思います。
今回のお庭づくりでは、室内からの見え方も大切にしました。敷地が立体的に感じたり、奥行きを感じられたりするように、樹木の配置や高さのバランスを冨井造景さんと相談しながら計画しました。家の中から見たときに、どのように景色が重なって見えるかも工夫したところです。
また、暮らしの楽しみという観点も大切にしました。
「花が咲いたね」
「実がなったね」
「鳥が来たね」
そんな何気ない会話や発見が、日々の暮らしを豊かにしてくれると思っています。
今回植えた梅の木もその一つです。実った梅を収穫してジャムにしたり、季節の移ろいを感じたり、そんな体験をこの家とともに積み重ねていけたらと思い植えました。

さらに、植栽を彩る要素として、高低差の解消には新潟の地元産の切り石を使っています。少し錆色が入った表情や大判ならではの迫力があり、私自身とても気に入っている素材です。石を削ったり割ったりしながら大きさを合わせていきます。かなり手間暇がかかっています。冨井さんありがとうございます。

こうした庭づくりもまた、建物の魅力を引き立ててくれる大切な要素だと思っています。
家は建物だけで完成するものではなく、お庭も含めてひとつの住まいです。
ぜひ実際に見ていただきながら、家と庭がつくり出す空気感や心地よさを感じていただけたら嬉しいです。