時差投稿になりますが、新潟市西区の「光井戸の家(ライトウェルハウスでもかっこいい!)」が基礎工事中です。
6月下旬の上棟に向け、チーム一丸となって現場が進んでいます。
「光井戸の家」では「ベタ基礎」の中でも特にこだわった「一体打ちのベタ基礎」を採用しています。今回のブログでは、「布基礎とベタ基礎の違い」について、それから「一体打ちのベタ基礎」について、その特徴やメリット、注意点をご紹介させていただきます。
ベタ基礎とは?
まず、木造住宅の基礎には大きく「布基礎」と「ベタ基礎」の二種類があります。
家づくりでは目に見える設備や内装に注目しがちですが、建物を支える基礎は住宅の耐久性や安全性を左右する非常に重要な部分です。
ノモトホームズでは「布基礎」も「ベタ基礎」も、どちらも採用しています。
そもそもベタ基礎とは、簡単に言えば建物の底面全体を鉄筋コンクリートで覆う基礎工法です。一方、布基礎は建物の柱や壁の直下に基礎の立ち上がりとベースを設け、何もないところは防湿コンクリート(鉄筋コンクリートでは無い)で覆う工法です。
許容応力度計算(構造計算)を行うことが大前提ですが、ベタ基礎も布基礎もどちらも地震に対する強さは変わりません。
構造計算がまだ一般的でなかった時代に「ベタ基礎は強い」「ベタ基礎だから大丈夫」みたいなベタ基礎神話があったことは確かですが、これは間違いです。布基礎もベタ基礎も、構造計算を行えばどちらも同じ強さです。
一体打ちのベタ基礎とは?
ベタ基礎の中でも、ノモトホームズでは「一体打ちのベタ基礎」にこだわっています。
一般的なベタ基礎では、
- 底盤(スラブ)部分を打設
- 立ち上がり部分を打設
という2回に分けてコンクリートを流し込みます。
一方、ノモトホームズが基礎断熱で床下エアコンを採用する場合、ベタ基礎は、底盤と立ち上がり(※外周部のみ)を同時にコンクリート打設する「一体打ち」という特殊な工法を採用します。
つまり、基礎全体を一度の工程で施工するため、継ぎ目のない基礎を形成することがでます。
その目的は一つで、「シロアリの侵入経路をふせぐ」ことです。
一体打ちベタ基礎のメリットは大きく2点
1. 打ち継ぎ部分がなく防蟻性が高い
通常の2度打ち工法では、前述の通り底盤と立ち上がりの接合部に「打ち継ぎ」が発生します。
シロアリはその打ち継ぎ部分の、ほんのわずかな隙間からも進入することがあるので、継ぎ目が発生しない一体打ちは防蟻性が高く安心です。
布基礎の場合、立上りと防湿コンクリートの取り合い部分が全て打ち継ぎになるため、必ず床下は外気を取り入れて通気を行い、湿気が滞留しないようにしてシロアリの活動を抑制します。昔の家は床下がそのまま土になっているケースが多いですが、その状態ではシロアリによる食害の危険性が高くなります。
耐震性能は、一体打ちも2回に分けて打つ従来の方法も同じです。しっかり鉄筋が入って(定着長さが確保されて)いれば、スラブと立上りは構造的に一体となります。
例えばRC造のマンションも、階毎にコンクリートを打設していきますが、地震の時に打ち継ぎ部分で壊れるということはありません。
2. 水の浸入リスクを低減
基礎内部への水分浸入は、コンクリートの劣化や鉄筋の腐食につながります。一体打ち工法では打ち継ぎ面がないため、水の侵入経路が少なくなり、防水性の向上が期待できます。地下水位の高い地域や湿気の多い環境では、大きなメリットとなります。2回に分けて打つ場合は、止水プレートというものを使って止水します。
一体打ちベタ基礎の注意点
1. 高い施工技術が必要
一体打ちはコンクリートの流動性や締固め作業が重要になります。施工経験が不足している業者では、ジャンカ(コンクリートの空洞)や充填不足が発生する可能性もあります。
そのため、施工実績が豊富な会社を選ぶことが重要です。もちろん私たちがいつも施工をお願いしている皆さんは「一体打ち」が施工可能で経験豊富な基礎業者さんです。
2. 型枠や施工管理が複雑
底盤と立ち上がりを同時施工するため、浮型枠と呼ばれる専用型枠や高度な施工管理が必要になります。

こちらが「光井戸の家」の現場の基礎です。
右側にあるのが浮型枠で、型枠の下部分が浮いていて、型枠にコンクリートを流すと左側に写っているスラブの方に流れていって、スラブと立上りが一体になって固まります。
3. そもそもベタ基礎はコストが高くなる
ベタ基礎は布基礎よりも工事費が高くなります。ベタ基礎の方が使用するコンクリート量、鉄筋量が多く、掘削残土処分費が布基礎よりもはるかに多いからです。コストを考えると布基礎の方が良いです。
布基礎とベタ基礎の使い分け
一体打ちのベタ基礎は、底盤と立ち上がりを同時に施工することで、継ぎ目のない高品質な基礎を実現する工法で、シロアリの侵入を防ぐという大きな特徴があるということをお伝えさせていただきました。
ノモトホームズでは「布基礎」も「ベタ基礎」もどちらも同じくらい採用しています。ちなみに私の自宅は布基礎です。
ではどうやって使い分けるかというと、その家が床下エアコンを採用するかどうかによります。
床下エアコンを採用しない場合、布基礎にします。つまり床断熱にして、床下空間には外気を取り入れ、シロアリの活動を抑制します。防蟻工事も行い、土台や大引きにはシロアリに強い桧を使います。床下の通気もしっかりとれているので布基礎にしてもシロアリ対策は万全です。布基礎の方がコストも抑えられるので、床下エアコンを採用しない場合は布基礎を採用します。
一方、床下エアコンを採用する場合は基礎断熱にするため、打ち継ぎ目のあるベタ基礎では基礎立上りと断熱材の間にシロアリが進入する可能性があります。しかも厄介なのが、目視では分からないこと。
そこで、そもそものシロアリの侵入経路を断つために、ベタ基礎の中でも「一体打ちのベタ基礎」にするという訳です。
住宅設計という仕事は、何かを選択したり、決定したりする作業の連続です。
私たちノモトホームズの設計チームは、それらを行う場合、どちらが合理的かを考え、必ず決定根拠を持って決めていく事にしています。
基礎の種類一つとっても、お客様の住まいがどうあるべきか、無駄なコストをかけないよう、しっかりと合理的に考えてご提案させていただきます。
