こんにちは、アーキテクトの福本です。

『女池のエコハウス』は順調に工事がすすんでおり、断熱工事が完了しました。

こちらは2階の天井の様子です。垂木の間に白い板のようなものが並んでいます。これは日本住環境の通気スペーサーです。完成すれば天井裏に隠れて二度と見えなくなる部材ですが、家の寿命を左右する重要な役割を担っています。

通気スペーサーは何をしているのか?

屋根は、外から順に屋根材・野地板・断熱材という構成になっています。この断熱材と野地板の間に、空気が流れる隙間をつくるのが通気スペーサーの仕事です。軒先から入った外気がこの層を通って上昇し、棟の換気部材から抜けていきます。

断熱材をそのまま野地板に密着させてしまうと、この通り道がなくなります。スペーサーを入れることで、断熱材を隙間なく充填しながら、通気層の厚みも確保できるわけです。

湿気を溜め込まないために

冬、室内の暖かく湿った空気は上へ移動します。防湿層で止めきれなかった水蒸気が屋根内部まで達すると、冷たい野地板の裏面で結露します。ここに空気の流れがなければ、水分は逃げ場を失って滞留します。

木材含水率が20%を超える状態が続くと、木材腐朽菌が活動しやすくなります。通気層は、内部に入った湿気を屋外へ排出し、結露水を乾かす仕組みです。

夏場、直射日光を受けた屋根面はかなりの高温になります。その熱が断熱材に直接伝わり続ければ、天井面の温度が上がり、冷房負荷も増えます。

通気層を空気が流れることで、屋根材が受けた熱の一部を排出できます。断熱材の性能は、断熱材そのものの性能値だけでなく、こうした周辺の納まりによっても変わってきます。木造住宅の劣化要因として大きいのは、腐朽とシロアリです。どちらも水分と深く関わっています。逆に言えば、乾いた状態を保てる構造にしておけば、木材は長期間性能を維持します。

防水で水の侵入を防ぐ。防湿で水蒸気の侵入を減らす。それでも入ってきた分は、通気で乾かして排出する。この三段構えが、断熱性能の高い家ほど重要になります。

見えなくなる部分こそ

引き渡し後、お施主様がこの白い部材を目にすることはありません。しかし数十年後の家の状態を決めるのは、こうした見えない部分の納まりです。

上棟から断熱工事の時期は、普段見られない家の中身が見えるタイミングです。現場にお越しの際は、ぜひ屋根も見上げてみてください。工事中の現場もご案内可能ですので、ぜひお声がけくださいね。

福本 純也

福本 純也

JUNYA HUKUMOTO

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