人が作ったものは時と共に変化する

大量生産された工業製品は劣化してゆくが

素材を生かし人の手によって個別に作られたものは様々なかたちに変化してゆく

自然素材や手作りの良さは

変化を楽しめることで

出来たての塗り壁や板張りは

パリッとした美しさがあるが

風雨にさらされて

朽ちてゆく土壁や

木目が浮き出て銀色になった板は

味わいや時間を感じることができる

そういう点で 植物もまた

成長という変化を楽しめる

自身で植えた小さな樹木も

数年経つと風景になる

事務所の外壁はリノベ前からの

ALCという工業製品だけど

オオイタビというつる植物に侵食されつつあり

それを楽しんでいる

最初は控えめに窓から顔を覗かせたものも

今では窓を覆いつくそうとするので

散髪するようにチョキチョキ伐ってやらないと

部屋が真っ暗になってしまう

その生命力というか繁殖力はすさまじい

壁のみならずガラスにも張り付く

エアコンの室外機や換気口にも入り込む

平滑な天井だってへっちゃら

いずれ建物全体が覆われ

夏の日差しを受け止め

雨が降れば生き生きとし

虫が住み 鳥が来る

植物に覆われた建物は

街のランドマークになり

歴史を感じさせてくれるようになるかも

そんな姿を想像すると楽しい

伊藤 誠康

伊藤 誠康

MASAYASU ITO

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