こんにちは。アーキテクトの福本です。

番外編も5回目ということで、今回は「家と家具」についてお話ししたいと思います。

家と家具は、切っても切れない関係にあります。住宅を美しく、使いやすく設計することはもちろん大切ですが、そこにどんな素材の家具が入り、どんな高さや手触りを持っているのかによって、暮らしの心地よさは大きく変わると感じています。

家具は決して安い買い物ではありません。家づくりのタイミングでは、「子どもがまだ小さいから手入れしやすいものにしよう」と考える方もいらっしゃいますし、「今使っている家具を捨てるのはもったいない」と、住み替え先へ持っていくこともあると思います。

それでも私は、家と家具を一緒に考えることで、家づくりはもっと豊かで楽しいものになると思っています。家具は住宅設備のように数十年で交換するものではなく、手入れをしながら長く使い続けられ、時には住まいとともに引っ越すこともできます。だからこそ、いつかは壊れてしまう高額な設備よりはずっと価値のある投資なのではないかと感じています。

今回、自邸では限りある予算の中でしたが、家具についても協力業者さんや職人さんと相談しながら、一つひとつ形にしていきました。

例えば、ダイニングテーブルと椅子です。

私自身、あまり背が高い方ではないため、一般的な北欧家具は少し座面が高く感じることがありました。そこで座面の高さを抑え、床座の暮らしとも程よい距離感になるよう、使い心地を考えながら製作していただきました。

椅子が低くなれば、自然とテーブルの高さも少し低くなります。数センチの違いですが、特に女性の方には使いやすく感じられることもありますし、空間全体が少し広く見える効果もあります。

人気のある椅子も魅力的ですが、自分たちの体格や暮らし方に合った寸法を選ぶことも、家具選びの大切な視点なのだと思います。

今回は、造作ソファーにも挑戦しました。

ソファーが動いてしまうことや、背中に壁がある方が落ち着く感覚もあり、建築と家具の中間のような存在として計画しました。家具なのか建築なのか、その境界は曖昧ですが、こうした選択肢も住まい方の一つだと思っています。

座面も低く設定し、床座の暮らしや家族の生活に合うよう設計しました。既製品を選ぶだけではなく、暮らしに合わせて形をつくることも、家づくりの楽しさの一つだと感じています。

図面や写真だけでは伝わりにくい家具の高さや素材感、空間との関係性は、実際にその場に立ってみることで初めて感じられる部分があります。住まいと家具がどのように暮らしを形づくっているのか。見学会では、そうした細かな工夫にもぜひ目を向けていただければと思います。

福本 純也

福本 純也

JUNYA HUKUMOTO

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