こんにちは。営業設計の竹村です。
建築用語に「マッシブ」という言葉があります。
これは「どっしりして安定感のある」ことを言います。見るからに「重そう」「しっかりしてそう」と感じる、どっしりした質感のことを指します。
他の言葉で言い換えると、
・厚みがある
・重量感がある
・固くて壊れにくそう
・一体感があって“塊”に見える
こういう特徴を持ったデザインや素材を「マッシブ」と呼びます。
建築のデザインには、極力薄く軽く見せることもありますし、逆に厚さや重さといった「マッシブさ」を強調することで重厚感や高級感、時間をデザインすることもあります。
例えば「焼杉の家」は、そのシンプルな屋根形状を強調させるために、極力屋根のラインを薄く見せることを徹底しました。
「マッシブ」なものを住宅デザインに取り入れると、高級感が出ます。
例えば、外壁にガルバリウムや板を張るよりも、タイル張りや塗り壁にした方が高級感を感じるのはそのためです(どちらが良いかという話ではありません)。
室内の内装でも同様で、ビニルクロスを貼るより漆喰にする方が高級感があります。
それは、人は重くて固くて厚みのあるものに「価値」や「安心感」を自然に感じるからだと思います。大理石や厚みのある無垢板。見るからに重そうな自然石。直観的に末永く使えそうとか、壊れ無さそうとか、そういう直観的な印象が高級感に繋がるのではと。

モデルハウスのスキップフロアにあるコーヒーテーブル。
FUNGI 60 coffee tableという、テラゾー仕上げ(人造石)のものを選びました。
このテーブル、抱えるのもやっとなくらい本当に重くて、重厚感があります。
自宅にも欲しいくらい・・・


同じ空間にある照明器具は、バランサーに石が使われているものを選びました。

子ども部屋につながる小窓。漆喰の壁(マッシブなもの)の壁厚を表現するために、わざとナナメにしています。ナナメにすることで表面積が増えて、同じ壁厚でもより厚くみせることができます。

こちらはイタリアにある寺院ですが、同じように開口部まわりが全てナナメになっています。単に直角になっていればそこまで印象に残らないかもしれませんが、ナナメにすることで「壁が厚いんだな」ということが伝わってきます。これこそマッシブな外観そのもの。


もちろん、素材によらず木材でもマッシブさを表現できます。
この地松の太鼓梁は、樹齢70年くらいでしょうか?のものを、十数年寝かせていたものです。物理的な大きさや太さに加え、年輪や節から膨大な時間を感じることができます。
そうそう、見た目の「情報量が多い」ものも高級感に繋がります。
無垢板を使ったダイニングテーブルをどうつくるかを考えると、Macbook Airのように端部をテーパー処理して薄く見せる方法もデザインの一つですし、あるいは、あえて板の厚みを強調して、マッシブにどーんと、いかにも重そうに、厚く見せるのもデザインの一つ。
最近では、その素材のもつ時間や重さ、体積、密度、質量が、建築デザインに活かされている建築が好きです。建築って、本当に面白いですよね!