「新潟島」の準防火地域に建つ、高性能な小さな木の家。
断熱性能を表すＵa値は0.45で、HEAT20 G1グレードをクリアし、BELS評価では「ZEH Oriented」を取得している。
耐震等級は積雪考慮での許容応力度計算を行い、耐震等級2を取得した。
換気システムには壁付けの第一種換気システムを導入し、省エネ化および将来的な機器の交換費用を抑えられるよう配慮した。
外観は切妻屋根とし、もともと高低差のある敷地であったため、圧迫感を抑えるよう、建物高さもなるべく低く設計した。また、南側の軒先を深く出すことで日射遮蔽を行っている。
ウッドロングエコ塗装を施した杉の羽目板は経年により味わいが生まれ、基本的にメンテナンスが不要な外壁材である。
床面積は小さくまとめつつも、吹抜や開口部の取り方を工夫し、最大限広く感じられるよう計画している。
内部には漆喰や無垢材、ロクタ紙を使用し、自然素材につつまれた優しい空間になった。
特に1階の床仕上げには、厚さ30㎜の杉の無垢フローリングを使うことで無垢板の熱容量に着目し、蓄熱効果にも期待した。もちろん床断熱もしっかり行ってはいるが、「冬場でも、足元の寒さは感じられなかった」とのお声をいただいている。
タイルやロクタ紙、照明器具、木製ブラインドなど、ひとつひとつ丁寧にお選びいただいた住まい。
立地上、雨風にさらされることが多い場所ではあるが、これからの安心で快適な暮らしを守ってくれるような家になったように思う。
