こんにちは。ノモトホームズの竹村です。
最近では高気密・高断熱住宅が当たり前になってきています。
外皮性能を数値化したUa値。気密性能を数値化したC値。今や工務店業界ではどの会社もそれらの数値を少しでも上げようと、日々、断熱・気密性能の強化に尽力しています。

気密性能は設計内容、施工方法や間取り、断熱方法、構造計画と密接に結びついています。
例えば下屋のある住宅よりも総2階の真四角の住宅の方が気密がとりやすくなりますし、床断熱よりも基礎断熱の方が気密がとりやすくなります。引違いサッシが少なかったり、天井断熱部分にダウンライトを設けない方が気密的には良いです。
一方で、断熱性能を数値化した外皮性能は、単純にサッシの性能(複層ガラス<トリプルガラス)と断熱の厚さ(充填断熱<充填断熱+付加断熱)により決まります。ですから、コストをかければかけるほど数値を上げる(=断熱性能が良くなる)ことができるわけです。
このような世界戦で、「どのくらいの性能があれば快適に暮らせるのだろうか?」という疑問を持たれる方も多いのではないでしょうか。
外皮性能の基準は、国の省エネ基準からHEAT20と呼ばれる先進的な水準まで幅広く存在しますが、ノモトホームズではHEAT20 G2グレードをおすすめしています。
「床下エアコン等による全館暖房の恩恵を十分感じられる水準だから」というのが理由です。冬の鳥屋野南モデルハウス(G2グレード)は床下エアコン1台で冬場はどの部屋も暖かく快適です。対してG1グレードは、全館暖房が機能する最低限の基準と考えています(もちろん暖かいですし、日射取得等の他条件もありますのであくまで目安の一つです)。
ご予算的に外皮性能にコストを掛けられる場合はG3までとっても良いですが、夏場の日射遮蔽ができていないと室温が上がり続けてオーバーヒートする可能性もでてきます。
C値は第一種換気の威力が発揮される数値0.5以下を目標にしています。ノモトホームズの家は下屋が多く建物形状(平面計画)も凹凸があったりと単純ではないので気密施工をしていただく職人さんも大変なのですが、最近の現場では気密性能0.3をとることができました。
私がいつもお伝えしているのは、「数値を追い求めることが目的ではなく、暮らしの質をどう高めたいかが大切」ということです。たとえば冬の朝、寒さで布団から出られない、という状況は避けたいものですし、夏の強い日差しがリビングを不快にすることもできれば防ぎたい。部屋ごとの寒暖差によるヒートショックも防ぎたいですし、冬場、子どもが布団を蹴っても風邪をひかないような温かさが欲しい。
つまり、数値そのものよりも「日常のどんな不便を解決したいか」を一緒に考えることが出発点になるのです。数値よりも暮らしにどんなベネフィット(便益)を与えられるか、です!
前述の引違い窓はほとんど南面の日射取得窓でしか使いませんが、使い勝手も良くて掃除もしやすく本当に便利です。日本古来の開閉方式で、その原型は平安時代まで遡るというのも魅力です。
下屋の無い総2階のボックス型の住宅は気密施工も簡単で楽なのですが、佇まいもイマイチで良い町並みも作れません。数値は超重要だと思ってはいますが、そこばかりにとらわれるのはあまりおすすめできません。
先日もあるご家族が、「小さな子どもがいるので、家の中では一年中薄着で快適に過ごせる家にしたい」とおっしゃいました。そこで私たちは断熱・気密のバランスを整え、冷暖房の仕組みを工夫することで四季を通じて快適な室内環境を実現するご提案をしました。お引き渡し後にお伺いした際には「冬でも薄着で布団一枚で寝ています」と喜んでいただけたのが印象的でした。
住まいは数字や仕様で語られることが本当に多くなりました。SNSを見ていても、そんな情報であふれかえっています。
本当に大切なのはそこでの暮らしの快適さです。これから家づくりを考えられる方も、「どんな日常を手に入れたいか」を出発点にしていただければ、性能の答えも自然と見えてくるのではないでしょうか。